花森安治と神戸

NHKの朝の連続ドラマ『とと姉ちゃん』が人気です。
いよいよ日本人の暮らしを変えたとされる雑誌『美しい暮しの手帖』の創刊にむけてのくだりと、「直線裁ち」のワンピースがその誌面にて掲載されていくくだりに差し掛かるようです。この「直線裁ち」のワンピースは、戦後に日本人女性たちの間に“洋装”を広く定着させるるきっかけとなりました。

昨日の放送も意気揚がる内容で、とりわけ唐沢寿明演じる花山伊佐治と高畑充希演じる小橋常子のやりとりも、今だからこその言葉の重みを感じました。

「毎日の暮らしを犠牲にしてまで戦うものなど何もなかった。毎日の暮らしこそ守るべきものだった」
「毎日の…暮らし?」
「人間の暮らしは何ものにも優先して一番大事なものなんだ。それは何ものも侵してはならない、たとえ戦争であっても。今ようやく分かった。もし、豊かな暮らしを取り戻すきっかけとなる雑誌を作れるのなら…」
「私となら必ずできます」

ふと気になってCAEANの書棚を見渡すと、ありました。
2013年に新潮社から刊行された『花森安治伝』と、以前に実家から私が引き取った『戦争中の暮しの記録』(暮しの手帖編)と『一銭五厘の旗』(花森安治著)です。
実家では『暮しの手帖』も定期購読していたように記憶しています。
私が子供だった70年代にこの雑誌から感じていた、厚手の麻布のような素っ気なくそれでいて確かな独特の“におい”が何に拠るものなのかを、当時は掴み取ることはできませんでした。その理由が「広告がない」からだと解したのは、大学でマス・コミュニケーションを学んでからです。
「広告がない」とは、なにかにおもねらないということです。

『花森安治伝』を読み返して、彼が板宿あたりで生を受け、神戸三中(現・長田高校)の出身だったことに、今ごろ気づくのでした。
戦後日本人の衣服と暮らしを変えた花森安治を生み育てた神戸という土地について、今日は今しばらく想いを巡らせることにします。IMG_3702

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